
まずは、セイカちゃんの説明を聞いてください。
1. 車型のロボットを動かす為には、どうすればいいのでしょうか。
2. なぜ、2個のモーターを使うのか。
などの解説をします。
音量に注意して下さい。
モーターを、どのようにまわしているのか。
[1]ロボットにモーターが2個ある理由

一般の車とかラジコンカーなどは、エンジン(モーター)1つで駆動されています。
車の方向は、ハンドル(サーボモーター)を使って進む方向を変えています。
これに対してTJ3Bは、ギヤモーター2個で方向を決めています。この理由は上図右側のラジコンカーを見れば
わかりますが非常に複雑な構造になり部品点数が多く組立が難しく材料費も高くなりロボット教材として相応し
くないためです。
欠点は、2つのギヤモーターの回転数にバラツキがあると同じスピードをプログラムしてもまっすぐ進まない
ことです。ロボットをまっすぐ走らせるには左右のスピード調整が必要かも知れません。
[2]モーター回転方向( 正転/逆転 )を切り替える仕組み
モーターの回転方向は、モーターに接続する電池の+-を変えることでできます。
これをマイコンから高速に切り替える方法として、4つの電子的なスイッチを’H’型に配置したHブリッジ回路で
4つのスイッチのどのスイッチを入り切りするかでモーターに加わる電圧方向を変えて回転方向制御しています
スイッチの各ON/OFFと正転・逆転 また それに対応したプログラムは下記の図に示します。

左記図が基本型回路図です。
「H」の形をしているのでエッチブリッジ回路と呼ばれています。
左記の様に4つのスイッチを下記の様に切り替える事で
① フリー動作( TJ3Bでは、制御できません。)
② 正転
③ 逆転
④ ブレーキ
4つの機能に切り替える事が可能となります。

「 正転回路 」

「 逆転回路 」

「 ブレーキ 」
TJ3Bの実際のHブリッジ回路を下記に示します。( 回路図は拡大できます。)
電子スイッチはMOSFETと言われる半導体が使われています。TJ3Bの実際のHブリッジ回路部分の写真も参考に
掲載しました。( 実際はギヤモーターの下にあり見えていません。)

上記の基本回路のままでは、回転方向は変えられますが回転速度を変えることはできません。
それでは、モーターの回転速度を可変する方法はどの様になっているのでしょうか。
[3]モーター回転速度を変える仕組み
モーターの回転速度を変える方法は2つあります。
1つはモーターに印加する電池電圧を変える方法です。( 電池1個より、電池2個つなぐと速度は2倍速く回転
します。)

もう一つは、PWM( パルス幅変調 )を使う方法です。モーターと電池の間に電子スイッチを入れて、このス
イッチを入り切りする速度を変えて回転数を変えます。
TJ3Bでは、このPWMを使ってモーター速度を変えています。PWMを使う理由はマイコンで制御しやすい為、
ほとんどのモーター制御に使われています。

回転速度を、100%、50%、30% にプログラムした時の電圧がモーターに加わる時間(パルス幅)を示します。
[ 常時ONの場合 ]
モーター電流の平均

電池電圧そのままをモーターに連続印加します。
モーター回転速度は、最大回転速度になります。
[ デューティ比 0.5 ]
モーター電流の平均(50%)

モーターへの電圧印加ONとOFFを、50%づつで切り替える。
連続印加と比較して、50%の回転速度となる。
[ デューティ比 0.3 ]
モーター電流の平均(30%)

モーターへの電圧印加時間を30%、OFF時間を70%で制御
連続印加と比較して、30%の回転速度となる。
上記の緑色の部分がスイッチが入っている(ON)時間です。スイッチの入っている時間が短くなるに連れて回転
速度は遅くなってきます。
スイッチが入っている時間と切れている時間の比を「デューティ比」と言います。
難しく言うと、1パルスの周期に対するON時間の比率と説明されます。
もちろん、この様な高速なスイッチングを制御するには、コンピュータが無いとできません。

